二体目 炎刃

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性別、年齢、どれもが異例ずくめ それなのに、普段の口をひらけば明るさの塊のような娘だった あのような姿にもかかわらず…… もう一度言おう、彼女の体は古傷だらけだ その中で最もひどいのが目だ 過去どういう生き方をしたのかはわからない 彼女が有名になったころには…… いや、彼女の存在を皆が知ったときにはすでに彼女の両の目は存在していなかった にもかかわらず、明るく笑う 何事もないかのように 噂ではその右腕も本物ではないという 普通ではない 普通ではないのに、無垢に笑う 皆は恐れた 彼女の存在を恐れた 死をまとった娘 いや、壊れた人形のような娘 【からくりサーシャ】と皆は揶揄した                  ・
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