二体目 炎刃

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 そこは国の中でも三番目に大きな都市だった。  貿易の要でもあるその地は、様々な国の人間が出入りし、多種多様な商材が入っては出ていった。  もちろん、人の出入りが激しいからこそトラブルも多く、それに対しての仕事も多かった。そのため、冒険者や傭兵たちが集まる地でもある。一部の冒険者や傭兵たちは寄り合い、ギルドを作り拠点として構えていた。その中には商人達のギルドも存在し活動をしていた。  街に到着した時、あまりの人の多さに彼はうんざりした。 「帝都のほうが、まだ静か……か」  知らず知らずの内に思っていたことが口から漏れてしまっている。  彼は早くもマーケットや通りの喧噪の熱さに飲まれているようだった。  出来れば静かな質を好むからの性格からすれば、この喧噪はどうにも下品に思えた。  そう、住む世界が違う。  見る視点が違えば、活気があり生きる力に満ちあふれているとも呼べるこの場が、ただの馬鹿騒動のど真ん中だ。  世界は一つの視点では成り立たない。  だからこそ面白いのだが、彼にはそれを理解するにはまだ時間が足りていない。
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