二体目 炎刃

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 彼はギルド達が集う通りへと向かった。 「……反吐が出そうだ」  近づけば近づくほどに、集まっている人間達の質も落ちていく気がした。  さらには信用ならざる亜人種の姿も多く見られる。  あそこを見ろ、エルフに似ているが肌の色からしてダークエルフだ!  邪悪の権化と言われる種族が街を闊歩している。  由々しき事態だ……そう彼は思いながら息をのんだ。  周囲の者たちも、格好は冒険者なのだが雰囲気がまるで違う彼のことをいぶかしげに見ていた。  怪しいのはお互い様……  しかし、彼にはそれらの視線など気にする必要がなにもなかった。  彼の目的は明確であり、今の彼には権限はないものの、逆に束縛されるものはなにもない。それどころか、自由に行動することが出来る。  だからこそここに来た。  彼はゆっくりと目的地へと近づいていった。  地図を確認する限り、この通りの真ん中にある噴水……その水のアートの裏にある古びた建物がそうらしい。
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