二体目 炎刃

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 皆が受けれる共通の依頼がここに集う。直接ギルドへ仕事の依頼が行くこともあるが、大抵はこの職安へと仕事が集まる。  そういうシステムになっているのだ。  彼は臆することなく進み、カウンターの前に出た。 「何か仕事はないか?」 「ん? 見ない顔ですね」  受付には女性が座っていたが、左頬に大きな傷跡があった。見た目に騙されると痛い目に遭いそうだった。 「さっき街についたんだ。仕事を探している」 「所属はありますか?」 「所属? ギルドのかい?」  彼の言葉に受付嬢は嘆息していた。  田舎者が来たのか……  そんな事を言いたげな雰囲気だった。 「どこの所属でもないってのなら、あまりいい仕事を回せないですね」  彼は不満そうな顔をしたが、受付嬢の態度が変わることはない。  ここでは力がすべてであり、簡単に示すという訳ではないが、ギルドに所属出来るのは実力者のみ。だからこそ、その証があれば優先的にいい仕事にありつけるのだ。
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