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「よし、手はず通りやるぞ……ウォーラ」
リーダーとおぼしき男の声で、一番息づかいが荒かった男の呼吸が一瞬止まる。そして、何かが投げられた。
それを確認するやいなや、彼女以外はすべて目を伏せた。
数瞬……
雷光のような凄まじい光がキャンプ地を襲った。
饗宴は一瞬にして狂乱へと変わる。
「よし、行くぞ!」
リーダーの男が号令を掛ける。それに反応し二人の男が崖を飛び降りるように身を躍り出した。
それにリーダーも続いた。
だが、そこに彼女の姿はない。
それに気づくと同時に……先ほどとは違った悲鳴が鳴り響きだした。
「あいつ……また」
付き合いが長い彼だけが理解する。
先に動き出していた二人の男は理解が遅れ、仰天している事だろう。
怒りを通り越してあきれてしまう。
まぁ、注意したところで変わることもないだろう……
だから、この状況を楽しもう。
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