一体目 それが彼女だ

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「よし、手はず通りやるぞ……ウォーラ」  リーダーとおぼしき男の声で、一番息づかいが荒かった男の呼吸が一瞬止まる。そして、何かが投げられた。  それを確認するやいなや、彼女以外はすべて目を伏せた。  数瞬……  雷光のような凄まじい光がキャンプ地を襲った。  饗宴は一瞬にして狂乱へと変わる。 「よし、行くぞ!」  リーダーの男が号令を掛ける。それに反応し二人の男が崖を飛び降りるように身を躍り出した。  それにリーダーも続いた。  だが、そこに彼女の姿はない。  それに気づくと同時に……先ほどとは違った悲鳴が鳴り響きだした。 「あいつ……また」  付き合いが長い彼だけが理解する。  先に動き出していた二人の男は理解が遅れ、仰天している事だろう。  怒りを通り越してあきれてしまう。  まぁ、注意したところで変わることもないだろう……  だから、この状況を楽しもう。                    ・
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