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自分の赤ちゃんなのに、弟にほっぽり出して、自分はおしゃれしてほいほい外に遊びに行ってたのか!?
あんなに綺麗な格好しちゃって。ちょっと美人だからって!
不公平だ……! 世の中って本当に不公平だ!!
「アンタねー、ちょっとぐらい綺麗だからって、赤ちゃんほっぽり出していい気なもんね、何やってか知らないけど、無責任じゃない?」
「……悪かったわね、急だったから、母も一時保育もダメだったの」
「ふーん。急に男に会おう、とか言われちゃうなんて不倫かなんか?
美人はモテちゃって大変ですねー!
男と会うのに赤ちゃんなんて邪魔なだけだもんねー!」
「はぁ? ひがむのも大概にしなさいよ、みっともない」
「みっともないのはアンタでしょ。
不倫されたからって、腹いせにやるなんてサイッテー!!」
「違うわよ、杏を誰かに預けて男になんて会うわけないじゃないの」
「じゃ、何よ! 赤ちゃんほっぽり出すほどの用事って何なのよ!
どうせ、私がいないと思って何回もここに置きに来てたんじゃないの?」
「……面接だったのよ」
結衣は小さな声でぽそりと呟いた。
ーー面接?
意外な話に京香が狼狽していると。
「どうだった? 最終だったんだろ?」
良太が心配そうに横から口を出す。
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