異変

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ーーこんな部署にはいられない。   ……何とかしなくては!! 焦りばかりが募る。 悶々としていると秋山から連絡が入った。 仕事の後、会えないか、という。 京香は、もちろん、と速攻で返信を返した。 ーー秒速で既読がつくなんて、よほどヒマだと思われるかもしれない。 返信を返した後にチラリと思ったが、その通りだから仕方がなかった。 ーー課の現状を秋山に話してしまおうか。最悪の課、だって。   それとも決めつけるのはまだ早すぎるだろうか? まだ異動になってから一週間も経っていない。 もう少し我慢すべきなんだろうか。   愚痴をこぼすなんていかにもこらえ性のないワガママを言っているだけ、と思われてしまうだろうか?   「いい経験」になるんじゃないか、と秋山も言っていたではないか…… いい経験? 京香にはこれが「いい経験」になるとはとても思えなかった。 それにしてもどうして異動になったのだろう……? いくら考えても腑に落ちない。 それなりに「役に立つ」社員だ、と思っていたのはただの独りよがりだったのだろうか? 内田氏のような社員と同じように見られていたのだと思うと情けなく悲しかった。
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