異変

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*** 善は急げ。 早速、叩きつけるように退職届を出して、諸々の事務手続きをして会社を後にした。 (有給を消化するので実際の退職日はもっと後になるのだが) 終わってしまえばGEC生活もあっけない。 会社を後にする時に、内田氏が京香に送った視線。 嫉妬と羨望が入り混じったねっとりとした視線。 「これだから女は。  結婚っていう逃げ道があっていいよなー。人生イージーモードじゃね?」 内田氏の憎悪の混じった苛立ちが聞こえてくるのが京香にははっきりとわかった。 京香は満面の笑みを内田氏に返す。 「悔しかったら辞めてみなさいよ。何言っても負け犬の遠吠えってヤツよ」 京香の笑みに隠されたメッセージも内田氏に負けないぐらい辛辣だった。 内田氏のこめかみがヒクヒクとひきつる。 その顔を思い出すと京香は高笑いが止まらなかった。 勢いでケイコに電話をかける。 ものすごく忙しいんだけど!!と言うケイコに、夜、飲みに行く約束を無理やり取り付けた。 まずは祝杯をあげたい。 終業時間ピッタリに退社した京香は、ケイコが仕事を終わるのを待っている間、これからのことをいろいろ考えていた。
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