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テレビを見ながらそのまま寝てしまったようだ。
カウチの上で目を覚ました時、外はすっかり明るい。つけっぱなしのテレビからは、お天気お姉さんがその日の天気予報を伝えていた。
手元のケータイを見ると秋山からの返信が何もない。
秋山は割りとこまめに返事を返してくるタイプだ。一晩経っても何の連絡もないのはちょっとおかしい気がした。
京香はさらに、連絡を待っている、というようなテキストを送って、キッチンにコーヒーを淹れにいった。
一息ついたら連絡が来るだろう
と、思っていたのに、一向に連絡がこない。
いくら何でも昼食時には一言二言何か送ってよこすだろうと思っていのだが、予想に反して何の音沙汰もなかった。
仕事を辞めてしまって会社にも行かない京香はやることがない。
式のこととか、これからの生活のことをいろいろと相談したいのに、連絡がつかなくてだんだんとイライラしてきた。
それが不安に変わったのはその日の夜になってからである。
全く返事がない。
……何かあったのだろうか?
こんな風に連絡をしないのは、どうにも秋山らしくない。
京香はヘンな胸騒ぎを感じた。
あまりテキストを送るのもアレな感じだ。
心配しなくてもそのうち、ケロっとしたメッセージが来るだろう。
そんな風に自分に何とか言い聞かせてその夜は布団に潜った。
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