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布団から這い出す気力もわかない。
できることなら、死ぬまでこうしていたかった。
というか、このまま死んでしまいたい。
仕事を失い、恋人を失い、最後のダメおしが「迷惑だよ、ブス」。
生きてきた28年間、全てを否定されたような気分だ。
この先、生きていたっていいことなどあるはずがない。
イカトウ、いかにも東大卒のようなイケてないブス、頭だけが取り柄のはずなのになぜか仕事にも失敗して失業中、男にも捨てられた。
ゲーム・オーバー
人生終わった……
ーー死にたい。
いや、死んでやる!!
私のようなブスは生きる資格なんてないのよー!
完全なネガティブ思考。
京香はますますドツボにはまっていく。
ーーやっぱり……秋山のような完璧なイケメン・エリートが私みたいなのに恋をする、ってのがそもそも無理があったのよ。
なのに舞い上がっちゃって、……バッカじゃないの。
二人で食べに行ったいろいろな店や、秋山のマンションで過ごした楽しいひと時を思い出してまた涙があふれ出てくる。
あれは、全部ウソだったというのだろうか?
どうしようもなく惨めで悲しかった。
できることなら一生この布団の中にいたかった。
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