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やっぱり財菅部の連中が見たら驚くだろう。
エリカの口がこんなに大きいなんて。
「どうでもいいけど、私、もう主任じゃないんだけどね」
京香が苦笑しながら言うと、エリカも目をくりくりっとさせて相槌を打った。
「あーホントだー! ……じゃ、五十嵐先輩って言いますねー!
毎日五十嵐先輩とは会ってたし、先輩の連絡先持ってなかったなんて全然気がつきませんでした、先輩が異動するまで。
だからもう会えないのかと思ってショックでしたよー」
「アハハ」
「もう! 笑わないで下さいよぉ。
社に連絡くれてホント良かった……。秋山さんに聞いても、僕も連絡取れない、ケータイ変えられちゃったみたいで、なんて言ってて五十嵐先輩の連絡先絶対教えてくれないんですもん!」
「……秋山補佐、アンタにそんなこと言ってたの?」
「そうですよー!
秋山さんに先輩とのこと聞いたら、異動して気まずいみたいでフラれちゃったよ……って寂しそうな顔で呟いたので、それ以上は何だか突っ込めず」
「……マジか」
京香が考え込むように黙り込んでしまうと、エリカが「?」と言う顔で京香を見返した。
だから、京香は秋山との一連の経緯を詳しく説明した。
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