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「何がですか?」
「だからさ、秋山補佐は確かに私のことをとても心配して気遣ってた、んだよね。
業務も大変じゃないか、とかイロイロ気遣って、仕事を手伝ってくれたしさ。
でまあ、コロっといっちゃった私もアレだけど」
「確かに。何で先輩を騙したんでしょうねー?」
「いや、そこまではっきり言う? 一応傷ついて落ち込んでるんだけど」
「いや、もうガッツリ立ち直ってるじゃないですか」
「そう? わかる?」
「わかりますよー。アタシ、先輩のそういうところ、いつも凄いなーって尊敬してます。
しっかり自分で立ち直って、自分の力で突き進んでいくじゃないですか。
誰かに寄りかかったり、グチグチ言わないし。カッコイイっていっつも思ってますよ」
真面目な顔で褒められて、京香は思わず顔を赤くした。
自分で立ち直って……なんて言われたら面映い。
「大丈夫、大丈夫だよ」
また良太の声がこだまする。
本当は、この声が京香を助けてくれたのかもしれないのだけど。
立ち向かう勇気が湧いてきたのは……この囁きのおかげだろうと思う。
「そんなこと言ったって、何にもでないよ」
「この高級ステーキご馳走になれば十分ですよ!」
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