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「むしろいっつもゴハンとかご馳走してくれてたから、おカネの話で言えば、秋山補佐的には赤字だと思うよ。
ま、私の方も最終的に会社を辞めちゃったから散々なんだけど」
「それだ!」
エリカがポンと手を叩いた。
「秋山は先輩に会社を辞めて欲しかったんですよ!」
短い沈黙が訪れる。
次の瞬間。
「……でも何で?」
二人の声はハモっていた。
ーーん?
会社を辞めさせたかった?
引っかかる。
エリカと別れた後も、京香は一人でぼんやり考え込んでいた。
***
とりあえずやるべきことが二つある。
喫緊の課題は再就職だ。
とにかく仕事を見つけなければならない。
マンションに戻って早速パソコンを開いた。
求人情報を検索する。いくつかの転職サイトを覗いてみた。
数え切れないほどの求人情報がのっている。
何とかなるのではないか、とまずは安心した。
半日以上かけて、じっくりと求人情報を精査していく。
いくつかのエージェントに登録をした。
エージェントからの返信を待っている間にも、希望する職種や業界を意識しながら履歴書の下準備をしたり、やらなければならないことは山ほどあった。
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