華麗なる復讐

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「そ、そうかな、、?」 「そうだよ。だって、前、仕事してた時、京香さん、すっごく輝いてたもん。  あー、仕事頑張ってんなー、って。なのに、今は全然嬉しそうじゃないよ」 「でも、そうやって高望みしてるうちにますますどこも就職できなくなったりして」 「大丈夫、大丈夫」 なんの根拠もないのに、良太が明るい顔で言うと、なんとかなるような気がしてくる。 それに、京香の予想に反して、良太はせっせとコンビニのバイトに精を出していた。 週末を除く毎日、8時間以上は働いている。 これまでの京香の給与に比べるとすずめの涙ほどでしかないのだが、それでも何とか家賃ぐらいの収入にはなっていたので、失業手当と貯金ですぐにどうこうということはなさそうなのは助かった。 明日は早朝からシフトが入っている、となぜか妙に張り切っている。 良太は鼻歌交じりで京香に報告してきた。 コンビニに来るおかしなお客さんのことを嬉々として話す。 楽しそうに仕事の話をするのも何となく意外であった。 もっとも、良太は空気が読めないのか鈍感なのか、割といつでも楽しそうにのほほんとしているのだが。 そんな風にまったりしていると、いきなり良太のケータイが鳴った。
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