華麗なる復讐

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「ですよねー!? だから、アタシも最初は断ってたんですけど、人数足りないからどうしても、って言われて。  それで、まあ、合コンだけならいっかーと思って行ったんです。  そしたら……何か意気投合しちゃった人がいて」 「良かったじゃないの」 「だけど、中小に勤めるしょぼいリーマンですよ!?  しかも、その人、会社辞めちゃう、って言うんですよ。そんなの、玉の輿で専業主婦どころか、ヘタしたら、アタシがずっと働き続けなくちゃいけなくなっちゃうじゃないですか!」 「んー、何でその人は会社辞める、って言ってるの?」 「それが、会社が潰れる、って思ってるらしくて。  それなら、その前に辞めて他の仕事を見つけたい、とか言い出しちゃって。  でもね! 先輩!!   そんな人が今更転職したって大企業に勤めるなんて無理に決まってるじゃないですか!?   一発逆転なんてあると思います!?」 「まあ、難しいだろうね」 転職なんて口でいうほど簡単じゃないのよ、と付け足そうとして、これ以上、エリカを刺激しない方が良いかと口を噤む。 「ですよね、ですよねーー!! アタシもわかってるんです、そんなこと。  結婚するなら若いうちの方が有利だし、だとすると、さっさと切って次に行った方がいいかなーって」
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