華麗なる復讐

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「じゃあ、そうしなさいよ。せっかくのその美貌とナイスバディ、最大限に生かして絶対玉の輿、って昔から息巻いてたじゃない」 「そうなんですよ、そうなんですけど!!」 エリカはそこで困り果てた顔になった。 もう、これは誰がどう見ても、恋愛偏差値の低すぎる京香にさえはっきりとわかった。 「……彼のことが好きなんだ?」 「……そう、みたいなんです」 消え入りそうな声で真っ赤になるエリカ。 それは、今まで見たうちの中で、最高に可愛いエリカだった。 ……この腹黒女にこんな愛くるしい表情をさせるなんて、エリカが好きになったというのはどんな男なんだろう? 「じゃ、しょうがないよねー、腹をくくるしかないよ」 「そんなぁー! 嫌です、ビンボーなんて。  子供産んだらすっかりババくさくなって、『女としてはもう見れない』とか言われて、夫に浮気されて、スーパーのレジのおばちゃんで時給895円ぐらいで働かされて、意地悪な店長にパワハラ受けても生活のために辞められなくて……なんて、そんな生活、絶対イヤですよー!!」 「めっちゃ具体的かつ悲観的な未来だねぇ」 エリカの描く未来予想図があまりにもエリカらしくて笑ってしまう。
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