華麗なる復讐

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エリカは、その時のことを思い出したのか、ポーッとした顔になった。 目がすっかりハートになっている。 夢見る顔で話を続けた。 「ああいうタイプは初めてだわーー。  言っちゃあナンだけど、合コンなんて、アタシがブスを下げると、一緒になって弄る男ばっかだもん。  しかも、しょぼくてスペックの低い男ほど、ここぞとばかりにアタシの馬尻に乗るし」 ありがちだなぁ、と京香も大いに賛同する。 もっとも、京香は「いじられるブス」側の経験しかないが。 「彼が大人の対応だったってワケだ。素敵じゃない、その彼」 「正直、ハゲだし、モテるはずないし、アタシがちょっと誘惑すりゃイチコロだろ、なんて思って……  ちょっとからかってやろうかーなんて思ったのが甘かった」 「こういうのもギャップにやられる、っていうのかねえ」 「まあ、そんなこんなでイロイロありまして……」 エリカはポッと頬を染めた。 「ふーん、で、その彼とはやっちゃったの?」 「え!?」 一瞬にしてゆでダコのように顔を真っ赤にするエリカ。 ーーか、可愛い……!!   なんだ、なんだ、この思わずいじりたくなる可愛さは!! もともとエリカはゆるふわ系の愛され女路線である。 それが、本気で照れて恥じらっている。その可愛さは無敵だ。
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