華麗なる復讐

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いやあ、エリカのカレシ(候補)はたまらないのではないか……京香の顔が思わずにやける。 (男目線でニヤついてる場合じゃなくて、エリカを見習って「愛され路線」になるよう努力すればいいのだが、そうはならないところが、京香「らしさ」なのだろう) それにしても、エリカの意外な一面を見た思いである。 まこと、恋とは偉大だ。こうも人を変えてしまうのか。 「な、なんてこと言うんですか、五十嵐先輩!」 「だって、アンタが最初に言ったんじゃない、秋山さんとのことを話してる時に」 「……そうでした」 言い返すこともできずにエリカはしゅんとした。 「で、その潰れそうな中小の会社ってどんな会社なのよ?」 「GECデバイス、ってGECの下請けの」 「え」 京香の顔色が変わった。 GECの傘下の企業が潰れそう?  GECデバイスって、下請けとはいえ、確か割りに大きな会社だったはず……そんな簡単に潰れるような会社じゃない。はず。 …… ………… ーーお、落ち着け。   落ち着いてよーく考えろ。 京香の頭の中が目まぐるしく動き出す。 今までのことがじわじわと頭に蘇ってきた。 そう、秋山は何かを隠しているようだった。京香に知られたくない何かがあるように思えた。
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