華麗なる復讐

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「ちょっと待って。彼は、どうして会社が潰れる、って思ってるの?」 「親会社のGECが無茶苦茶なこと言ってくるらしいんですよー、部品の納期とか手形の決済とか。  それで資金繰りが厳しいようなことを言っていて」 「彼のいた部署はどこ? なんでそんなこと知ってるの?」 「あー、経理にいるって言ってました。銀行に頭を下げに行く時にヒヤヒヤする、バレないうちに辞めたい、とか言ってて……」 「……」 目の前にあったもやもやが、あたかも霧がパーっと晴れていくように消えていく。 霧の向こうには見えてくるのは、恐らく隠されていた真実。 つながった。 今までポツン、ポツンと点でしかなかった引っかかりが綺麗につながって真実が浮かび上がってくる。 「そういうことか……」 小さく呟いて、その真実に京香は恐れおののいていた。 GECデバイスは、エレクトロニクス事業部が抱える子会社だ。 エレクトロニクスで作る部品の組み立てを請け負っている。 その際に、エレクトロニクスは、一度部品をデバイスに売却して、完成品をデバイスから買い戻す。 恐らく、その過程で不正が行われたのではないか? 利益を出しているように見せるため売買の期間を意図的にずらしたり、下請けに対する手形の決済を伸ばしたりしていたのではないだろうか。
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