華麗なる復讐

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いや、まさか、いくらなんでも。 自分の推測があまりにも想像を超えているので、打ち消そうとするが、全て辻褄が合う。 「五十嵐センパーイ!  どうしちゃったんですか? 急に黙りこくっちゃって……」 エリカが京香の目の前で手のひらをひらひらさせる。 「ん。エリカ、折り入ってお願いがあるんだけど」 「はい?」 京香は、エリカにじっくりと説明をした。 *** エリカが帰って間もなくして、良太がただいまぁ、などと言いながら帰ってきた。 のんびりとした声。 手にはまたコンビニ弁当だ。 「廃棄になるヤツだから、良かったらどーぞ、って店長が」 「あ、……うん、ありがとう」 「あ! 今、京香さん『ありがとう』って言った!?」 「うん?」 「わーい! 京香さんに『ありがとう』って言ってもらえたーー!!」 「……え、私、今まで言ったこと、なかった?」 「っていうか、ボクが何、やっても京香さん、文句ばっかだったじゃないかぁ」 「文句ばっか……って、それ、ちょっと酷くない?」 「酷いのは京香さんでしょ。ボクが一生懸命やっても怒ってばっかでさ」 「……何にも出来ないのを棚にあげてよく言うねぇ」
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