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「どうしたの? 急にうろたえちゃって。
なんか、いつもクールな京香さんらしくないよー!?」
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。
ーーいや、良太なんて、こ、小犬みたいなモンだから。
そんな、お、男として意識するとか、何とか、そんなことは……
「有り得ない!!」
叫んでテーブルをドン!と叩いた瞬間、湯のみが倒れて、お茶がこぼれ出した。
「うわぁああ! ごめん! ってかふきん!!」
「落ち着きなよー、ホント、今日の京香さん、何か変だよ?」
ガタガタしていたら、京香のケータイが鳴った。
ふきんを取って良太に渡す。
「ごめん、電話取りたいから……テーブル拭いてくれる?」
「はーい」
良太から逃れるように電話を取って自分の部屋へ行くと、それは、久々にケイコからの連絡だった。
ケイコは、今晩にでも会えないか、と言う。
ずい分と急な話だなーと思いながらも、京香の方は特に予定もなくてヒマなので、大丈夫だよ、と気軽に返事をした。
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