華麗なる復讐

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「何、言ってるの、京香さん。  笑顔の可愛くない女の人なんているはずないでしょ!」 子犬のような潤んだ目をキラキラさせる良太。 ドキン! ーーえ!? 不意に胸が高鳴って京香はうろたえた。 ーーやばいやばいやばい。   何、これ!?   ちょっと……どうしちゃったの? 私の心臓 いつもの顔に違いないのに。 京香は良太の顔がまともに見れない。 *** 待ち合わせのカフェにケイコはまだ来ていなかった。 コーヒーを飲みながらぼんやり待っている。 良太のことを聞かれたら何て答えたらいいのか…… そんなことを考えながらケイコを待っていたら、意外なことに、男の人を連れてきたのであった。 京香が訝しげな顔をしていたら、ケイコは席に着くとすぐにその人を京香に紹介した。 「こちら、佐々木亮介さん。  財務省の同僚の高校の時の友達で」 佐々木、と言われたその男は、名刺を取り出すと、丁寧に京香の前に差し出した。 「ハンディ・ジャックの佐々木亮介と申します。  本日は、急にお時間いただきましてありがとうございます」 「はあ……」 京香が戸惑っていると、ケイコが横から補足した。
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