華麗なる復讐

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「実は、私の職場の先輩が面白い会社を起こしたヤツがいるんだけど、財務に詳しい人を探してるって言うのよ。で、ほら、この前京香からメールもらってたじゃない、仕事探してる、って。  急にそれを思い出して、佐々木さんに連絡を取ったら、是非、会って話がしたい、って言うから。  善は急げっていうんで、急遽、会うことにしたのよ」 隣りに座っている佐々木と言う男は、ケイコの話ににこにこしながら黙って相槌を売っている。 「お忙しいところ、急に来て頂いて恐縮です。  五十嵐さんのお話を聞いた時は、まさにウチが求めていた人材だ!って思いましてね。  ケイコさんに無理を言ってこんな場を設けて頂いた、ってわけなんです」 「何をされているんですか?」 ハンディ・ジャック、なんて聞いたこともないし、どんな業種かさっぱり見当のつかない会社だ。 京香は、佐々木の名刺に目を落としながら尋ねた。 「1年半ほど前に立ち上げたんですけど、簡単に言えば、コンサルティングの会社です。  私、もともとIT畑で、システム開発をしていたんですけど、クライアントは中小の企業が多くて、だんだんとシステム周辺も含めたよろず相談、みたいな感じになっちゃってですね。  私の方も、システムに加えて、もっとお客様の立場に立った総合的なご提案をしていきたいと思うようになって、独立したんです」
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