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条件を見た途端に険しい表情になった京香を見て、佐々木は慌てて付け足した。
「今すぐ、ご判断いただかなくても結構ですので、是非、前向きに検討して頂けませんでしょうか?」
「……はい」
それから、佐々木は、京香がGECでどのような仕事をしていたか、退職にいたる経緯などをさらりと聞いて、席を立った。
「よろしかったら、一度我が社を見にいらっしゃいませんか?
その時に、社の雰囲気なども感じていただけますし」
「わかりました。……では、また、ご連絡させて頂きます」
そんな風に返事をしておいたものの、京香は不安の方が大きかった。
設立したばかりのわずか7人しかいない会社。
今のところは順調かもしれないけど、一旦何か躓いたら、すぐに潰れてしまうだろう。
安定しているとは言い難い上に、正直GECに比べると待遇もかなり見劣りがする。
「急に、呼び出されたと思ったら、仕事の話でびっくりした」
佐々木がいなくなったのを確認して、京香はケイコに言った。
「佐々木さんとこ、ホント手が足りてないらしくて。
先輩に京香のことをちらっと言ったら、佐々木さんから電話かかって来たのよ、すぐにでも会いたい、って」
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