華麗なる復讐

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「……大丈夫なのかなー」 「わかんないけど、先輩は、佐々木は面白いし、仕事も出来るから、成功すると思う、ってえらく褒めてたよ」 「けど、財務スタッフなんてすぐ見つかりそうだけどねぇ、募集かけたら」 「ぶっちゃけ給料イマイチだからねー。  それは佐々木さんも言ってた。  ただ、変な人は入れたくないから、口コミで信頼できそうな人を探したい、って。  それにしても、急に辞めたと思ったら、仕事を探してる、って何があったのよ?」 「あ、うん……結婚の話が破談になっちゃって……」 「えー! 何ですぐに連絡くれなかったのよ」 「うん、まあ、いろいろあってさ……」 京香の話を聞いたケイコは怖い顔つきで「やっぱり……」と呟いた。 「その『やっぱり』って何よ。私はいかにも騙されそう、ってこと!?」 気色ばんで言うと、ケイコは違う、違う、と慌てて手を振った。 「じゃなくて。GEC、最近、あんまりいい噂聞かないのよー。  ヤバいんじゃないかって」 「え」 そう言えば、京香は、以前、ケイコがGECは辞めて正解だと思うけどね、と言っていたようなことを思い出した。
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