東大卒のブスだって愛が欲しいのだ

華麗なる復讐

「なりふり構わず、各方面にゴリ押しがすごいみたいで。
　GECは大所帯だし、万一のことがあったら社会的な影響も大きいから、うちの省でもまことしやかにいろいろ噂が流れててさ」
「そういうことはもっと早く言ってよ……」

「ごめん。でも、いかんせんデリケートな話だし、それこそ、京香の方で私に言えないようなことだってあるんじゃないかと思ってさ」
「……」

また一つ、つながった、と京香は思った。

＊＊＊

ーーハンディ・ジャック、ねぇ……

佐々木からもらった名刺をしみじみと見つめる。

マンションに帰った京香は、もらった資料にじっくり目を通していた。
最近はコンサルティング業務と言っても、大企業が会計事務所やらシンクタンクやらに頼む、というばかりでもなくなってきているらしい。

中小企業こそ、目まぐるしく変わる情勢に素早く対応する必要がある。
そのための戦略策定にコンサルティング業務が不可欠なのだ、と佐々木は力説していた。

確かに、昨今のイノベーションの移り変わりの早さといったら、日進月歩どころの騒ぎではない。

いち早く、それらの利点を生かした新しいシステムを柔軟に導入して、常時経営の効率化を図らなければ、大手であれ中小であれ企業が生き残ることは難しい、とも佐々木は言っていた。