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そうだ。
こんな風に、佐々木の方から積極的にアプローチしてくれて、是非、働いて欲しい、と言われるなんて、他にそんな企業があろうか?
条件が想定よりも(かなり)低かったとしても、ここは妥協すべきなんじゃないだろうか。
そんな風に考えていると、良太が檄を飛ばした。
「何、言ってるの!
京香さんは東大出のエリートでしょ? 優秀でバリバリ働いてたんでしょ?
それぐらいの価値はあるんじゃない?
それとも、今まで必死に頑張ってきた、っていう京香さんのセリフはただのハッタリ?」
「でも……もし、それでうまくいかなかったら……?」
分不相応の高望みをして失敗するぐらいなら、高望みなどしない方がいいのではないか?
秋山とのことだって……夢破れて傷ついただけではなかったか。
「大丈夫! 他にも仕事はある。
絶対、京香さんのスゴさをわかってくれる人はどこかに必ずいるから!!
強気で攻めよ? 二人でいれば何とかなるから」
どこから湧き出てくるのか、良太のこの自信。
力強い励ましに、京香は背中を押される思いだ。
「頼むのはタダでしょ? ダメもとで言うだけ言ってみればいいじゃん!?
京香さんが入って、バリバリ働けば、すぐに会社だって大きくなるよ!
大丈夫だよー、京香さんなら! ガンバレ!!」
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