華麗なる復讐

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GECは電子機器の部品を調達し、それを子会社であるGECデバイスに部品の組み立てを依頼していた。 その際に、会計上、一旦デバイスに部品を売却し、組み立てした完成品を買い戻すという処理をしている。 デバイスに部品を売却する際には、調達価格にいくらか金額を上乗せしていた。 これは、調達価格を隠すための方法なのだが、この上乗せ金額がはっきりしないのを逆手にとって、GECは不必要に売却価格を釣り上げていたのだ。 実際には、完成品を全て買い戻しするわけだから、どれだけ大量に高額で売ったところで利益が出るわけではない。 GECデバイスとしては、卸価格が高ければその分完成品を高くして買い戻してもらえばいいだけなので、部品の仕入れ価格を気にする必要はない。 そこで、GECは、会計上の処理方法を悪用して、決算直前に価格を釣り上げた部品をGECデバイスに卸し、見せかけの利益を確保していたのであった。 決算後に、完成品を高価格で買い取る。 販売が不振であれば結局アカが出るわけだが、この時点では表に出てこない。 損失の先送りでしかないのだが、時期を調整すれば、とりあえず決算の数字をよく見せることが出来る。
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