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「エリカ、悪いんだけど、もうちょっと頼まれてくれる?」
京香が、書類を見せながらエリカに説明する。
「部品の調達や、売却価格を設定していたのが秋山さんだとすると、
恐らく、秋山さんはどこかにデータを持っているんじゃないかと思うの」
「……わかりました。そのデータを手に入れればいいんですね?」
「できる?」
「やってみます」
エリカは真剣な顔で、京香をぐっと見つめると、武者震いを一つした。
***
その数日後。
品川に佐々木のオフィスを訪ねた京香は少なからず驚いた。
再開発で新しく建てられたビルの一角にある佐々木のオフィスは、明るくて小綺麗で、窓からの眺望も素晴らしい。
何となくーー路地裏にあるようなダンボールの積み上がった泥くさい事務所を想像していた京香は綺麗で明るい雰囲気に好感を持った。
壁の色は薄いブルーで、観葉植物も置いてある、洒落たオフィスだ。
一人一人のスペースはパーティーションで区切られていた。
ーー少なくとも、オフィスはGECとそう遜色はない……むしろ、こっちの方が綺麗で雰囲気がいいかも。
気分が高揚してくるのがわかった。
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