華麗なる復讐

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「明るくて素敵なオフィスですね」 京香が言うと、佐々木は微笑んだ。 「職場にカネかけるような見栄っ張りな会社はすぐに潰れる、なんてイヤミを言われることも多いんですけど。  私たちの仕事は、クライアントの経営がうまくいくように知恵を絞ることですから。  快適な環境で社員が思う存分能力を発揮することが重要だと思っています。  第一、朝、オフィスに来た時にどんよりするような職場じゃ仕事する気にならないじゃないですか。  クライアントさんとの打ち合わせもありますし、なるべくリラックスできる雰囲気にしたいんですよ」 他の社員たちが仕事をしている様子を見学させてもらう。 三人は打ち合わせで外に出ていたが、残りの社員と、事務全般を行う二人のパート社員を紹介してくれた。 30代が中心の若い会社だった。 一人一人が、クライアントに対してコンサルティング業務を行うのだが、社員それぞれに得意分野があるので、専門的なノウハウをお互いにアドバイスし合うのだという。 「コンサルティングの業務によっては、まれに担当を変えることもありますが、原則としては末長く担当のクライアントさんにお付き合いする、というのが方針です。  営業もありますからね!」 「営業?」
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