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「コンビニで一生懸命働いてるしな。
こっちまで毎日コンビニで弁当だの、新聞だの買いに行くようになっちまったよ」
「……そうなんですか」
「心を入れ替えたのか、って聞いたら、『アイツのために頑張ります』なんて言いやがってよ。 良ちゃんもいっちょまえになったよなーー」
カネダさんが京香の腕を小突いてきた。
「いや、そんな……さすがにプーはまずいと思ったんじゃないですか?」
「違うね。ありゃあ、惚れた女に一途になるタイプだからな」
カネダさんのセリフに思わずうつむいた。
照れる。
身体中が火照ってくる。
それでも、カネダさんに冷やかされるのもなんだか悪くはなくて、くすぐったいような気持ちもあった。
「それで、張り切って中嶋さんのところに入り浸ってるんじゃない?
ホント、良ちゃんも憎いねぇ」
ーーは!? 中嶋!? ……あの女とまだ切れてないのか!?
いきなり冷水をかけられたよう。
京香の顔はみるみるうちに不機嫌になっていった。
「な、中嶋って、誰なんですか!! ってか、何でカネダさんが知ってるんですか!!」
カネダさんは「おや」という顔で首を傾げた。
「あれ? 聞いてないの?
良ちゃん、中嶋さんにベッタリなのに」
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