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ーーベッタリ!? 私に隠れて!?
ちょっと甘い顔すりゃ、陰でコソコソ女と会ってんのか!?
いい度胸じゃねーか!!
「今も、中嶋さんのところにいるんじゃねーの?」
ーーなっにーー! こっちが、ハゲになりそうなくらい真剣に悩んで仕事探してるそのスキに女とチャラチャラ!?
「ちょっと!! 中嶋さんってどこに住んでるんですかッッ!!」
「あれ!? 知らないの? ココの302号室の住人だよ?」
ーーハァ!? よりにもよって、私が住んでるマンションの住人と浮気?
ってかどういうこと!?
それで、私のマンションに戻ってきたかったとか? いつでも会えるように!?
冗談じゃないよッッ!!
「ねーちゃんも会ったこと……」
カネダさんが話を続けるのも聞かず、京香はエレベータに向かって走り出していた。
ーー良太のヤツ、良太のヤツ……
それに、中嶋とかいう女も!!
「イカトウ」をなめんじゃないよ!
302号室に近づいて行くと、和やかな笑い声が漏れ聞こえてくる。
ドアが細く開いていて、二人の楽しそうな会話が筒抜けだった。
「さすがだなー、サユリさん。また来てもいい?」
「もちろん。良ちゃんが来るのを首を長くして待ってるのよ」
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