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「良太ー!! アンタ、何、やってんのよ。早くシャ、シャユリしゃんを手伝いなさいよー」
「あ……そっか。ゴメン、ゴメン。気がつかなかった。
サユリさーん、何をしたらいい?」
サユリさんはゆったりと笑って、
「今日は、五十嵐さんのお祝いだから、もう帰っていいわよ。
第一、五十嵐さん、立ってられないじゃない。
その代わり、良ちゃん、近いうちにお掃除のお手伝いにきてくれる?
電球を取り替えたいの」
「ほーい」
そのまま、京香を抱きかかえるように帰ろうとすると、京香がわめいた。
「りょ、良太ーー! にゃ、にゃにすんのよーー!!
アンタなんかに助けてもらわなくったて、わ、私は大丈夫でっすよー。
それより、は、早くシャユリしゃんを手伝っなさーよー!
もぉ、気がきかないんだから。
ちゅかえなーなぁー!! ちゃ、ちゃんと片づけてよッ」
「京香さん、酔っ払いすぎ! ろれつが回ってないよ」
困った顔でサユリさんに視線を向ける良太。
サユリさんは、良太に助け舟を出すように、京香に微笑んだ。
「五十嵐さん。そんな風に良ちゃんのことを言ってはダメよ。
良ちゃんが、アナタのことを大切に思って、一生懸命なのはアナタも知ってるでしょう?
私が、大丈夫、って言ったのだから、ここは心配しないで。
あとは素直にならなきゃね」
「しゅ、しゅなお?」
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