華麗なる復讐

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「じゃあ、おやすみ」 良太は部屋を出て行こうとした。 ーーちょっと待って!    これだけ!?    本当に、子犬なの!? 何もナシ!? 「ちょ、ちょっと!(ヒック)」 京香は良太をとっさに呼び止めた。 慌てたせいかしゃっくりまで出てくる始末。 「何? どうしたの?」 「……その(ヒック)」 「何?」 「ど(ヒック)、どういうつもりなのよ!?」 「何が?」 「だから……その、私たちの、か、関係!?」 「関係?」 「だ、だから、私のこと……その、どう(ヒック)、思ってるのかって聞いてるの!」 「好きだよ」 「ウソ(ヒック)」 「ホントだよ」 「ウソだ、ウソだーー!  男はみんな嘘つきだもん!!  ヘリクツこねてばっかの東大のブスなんて誰も好きになるわけないじゃん!!」 良太はプッと吹き出した。 「京香さん、笑うと可愛いじゃない」 「へ!?」 あんまり驚いたので、しゃっくりが止まってしまった。 ーーなんだよ、良太のこの笑顔。   まともに見れない。 「……ウソ」 「ホント。京香さんの笑った顔はすっごく可愛いよ」 良太は目をくりくりさせてにこにこしている。 ーーだ、ダメだ。   死ぬ。   きゅん死にだ。 「……き」 「は?」
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