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リビングに行ってみると、いつの間にかTシャツも着ている良太とエリカが楽しそうに談笑している。
エリカは京香の方を見てにやにやと笑った。
「もー! こんなことになってるならちゃんと言ってくださいよー。
全然連絡つかないし、来てみたらドアは開いてるし、で、入ってみたらあんなことになってるんですもん!!」
「……いきなり何で来たの?」
言外に連絡ぐらい寄越しなさいよー、という非難をめいっぱい匂わせた。
「だーかーら!!
これ、ゲットしちゃったんで、一刻も早くセンパイに渡したくて!!
はい、これ!!」
あっけらかんと明るい声を張り上げながら、エリカが京香に差し出したのは、USBメモリだった。
「……ちょっと、見てみていい?」
「もちろんです」
京香はパソコンを立ち上げる。
そこには大量の記録が綺麗に整理されて保存されていた。
……
…………
息を飲んで、思わず食い入るように画面を見つめる京香。
秋山がどんな会計操作をしていたかが、手に取るようにわかる。
「すごい……」
一言漏らした京香に、エリカは満足げな笑みを浮かべてウンウンと頷いた。
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