華麗なる復讐

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「05211985」 「何の数字?」 「お誕生日」 「ああ、本当だ。そんな、すぐにバレそうな番号にはしないよ」 「ヒント下さいよーー」 「えー……それって、反則じゃない? でも、ま、いいや。  好きなもの」 「好きなもの……わかった!! 自信ありますよーー、コレ。  当たったら、今度デートしてくれます?」 「いいよ、いいよ」 秋山も気軽に応じる。 「Matsuyamatrevis でしょ」 「えっ! 何で知ってるの?」 「え! 当たり?? だって、秋山さん松山出身だし、サッカーも好きじゃないですかー。  ピンと来たんですよ、これだって!」 秋山はびっくりした顔をしたあと、 「参ったなぁーー」 と息を漏らした。 「当たりですか?」 「ざーんねん」 「近い?」 「うーん、どうかな」 秋山は話をはぐらかした。 「じゃ、今晩、飲みに付き合ってください! それでチャラってことで」 「あー、もう、敵わないなぁ、エリカちゃんには」 「……嬉しい。今晩が楽しみになってきちゃいました」 エリカはニッコリ笑って、コーヒーカップを下げた。 エリカは、秋山の呼び方が吉岡からエリカに変わったのにも、もちろん気づいている。
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