それぞれの道

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傘下の企業がどれほど影響を受けるかわからないけれども、それを含めたら、何百人、何千人もの人々の人生を狂わすことになったわけだ。 ーー私は、なぜ、あの資料を公にしたのだろう?   秋山を懲らしめたい、と言う気持ち?    秋山に対する怒りでやってよかったのだろうか?   これが、正しかったのだろうか……? 違う形で粉飾を正し、GECを救う方法が何かあったのではないか?    そもそもこんなごまかしがわからなかったなんて、私は一体どこを見て仕事をしていたのか。 自分で決断したこととはいえ、予想を遥かに上回る事態に、京香は冷静ではいられない。 粉飾が明るみになるにつれて、経営陣の辞職はもちろんのこと、上場廃止など予想以上の厳しい決定が下されようとしていた。 高度経済成長の一翼を担った老舗の大手一流メーカーの没落。そのきっかけを作ったのは間違いなく京香であった。 「秋山さんも逮捕されたし、会社もなくなっちゃっうよ……」 京香はしんみりと呟いた。 「ホントだねーー」 のん気な声がかぶさる。 「良かったのかなーーこんなことして」 「しょうがないよ! 悪いことしてたから天罰が下ったんだ!!  大体ねー、京香さんを騙そうとするのが悪いんじゃないか!」
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