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「何かさー、肌がツヤツヤしてるよねぇ、最近」
ケイコはオレンジジュースをチューと口にしながら、不機嫌な声をあげた。
「そ、そう……かな?」
「そうよーー。どんだけハチ公に可愛がられてんのよ。
アンタばっかり良い思いしちゃってぇ」
「まあまあ、ケイコ先輩。
五十嵐先輩は、今までの経験不足を取り返してるだけですから、生温かく見守らないと」
エリカがすかさずフォローをする。
右と左から言いたい放題言われて、京香は身を縮ませた。
京香は、ケイコとエリカの三人での豪華ランチをしていた。
ブツブツと良太のことを恨みがましく言ってくるケイコのことをエリカに相談したところ、エリカが彼の友達何人かとの合コンをセットアップしてくれることになったのである。
今日は、その合コンの作戦会議という名の女子会であった。
もちろん、転職を始め、イロイロ借りを作ってしまったケイコと、書類入手のために多大なる貢献をしてくれたエリカに迫られて、本日の豪華ランチは全面的に京香のおごりだ。
ーー私もずっと無職だったから、懐厳しいんだけどなぁ。
とは口が裂けても言えなかった。
「もう一人、メンツいないですかねぇ?」
エリカがケイコと京香に聞く。
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