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「エリカ、アンタの友達にはいないの? 合コンしたい人」
「いや、いますけど、アタシの友だちだと、年齢的にケイコ先輩、厳しくなっちゃうんじゃないですか?」
「……いやー、アンタのその抜け目のなさ、というか、計算高さ、というか、さすがだわ」
京香が感嘆していると、エリカが不服そうに言った。
「一応、聞きますけど、それ、褒めてます?」
「もちろん!! あ!そういえば!」
京香がポンと手を打った。
「バツイチ子持ちはダメかな?」
「ええ。バツイチ? 子持ち?」
「美人なんだけどなぁーーやっぱ厳しいかねぇ?」
「いいじゃん、声だけかけてみれば?」
ケイコが横から口を挟んだ。
「あーーケイコ先輩。バツイチ子持ちだったら勝てる! とか思ったんじゃないですかー?」
エリカから鋭いツッコミが入った。
「あははー。そこまで考えてないよ。
でもさ、美人だけどバツイチ子持ち。東大卒の生意気なキャリア公務員。
そんな合コン、来たい男なんていないか。
地雷ばっかじゃん」
ケイコがケラケラと笑う。
その自虐的な笑いを聞いていたら、エリカがムッとした顔になった。
「ちょ、やろうじゃないですか、その合コン。
アタシ、悟さんに、よーーっく言い含めておきますから、盛り上がる連中を用意しろって」
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