それぞれの道

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何か変なスイッチが入ったみたいだ。 「何、何。 いいよ、別に。ちょっと冗談言っただけってば」 慌てるケイコにエリカは高らかに言い放った。 「いや、バツイチ子持ちとか東大卒とか、事故物件みたいな認識されてません?   おかしいですよね!?  だって、美人なんでしょ!? キャリア公務員ですよ!?  上物じゃないですか!! 何でひけ目感じなきゃいけないんですか?  あーー、何かめっちゃ腹立ってきた!!」 ケイコがニヤリと笑う。 「だよねー。  結局、ニートもどきフリーターも、ハゲでもそんなに悪くないってこともあるわけだし?」 「そう!! あっ、ていうか、悟さんは、結構かっこいいですよ!?   イケメンですからね!!」 「でもしょぼいリーマンなんでしょ?」 からかうようにケイコが突っ込むとエリカはムッとした。 「いいんです! 細マッチョだし、性格が超男前だから。  それに、アタシ、これからも働くんで、全然問題ないですから」 「あれ? アンタ、専業主婦したい、って言ってなかった?」 エリカの意外な発言に、京香が聞き返した。
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