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「小さい探偵事務所……っていうか興信所ですかねー。
なんか、最近は浮気調査とかする人多くて、結構儲かってるみたいなんですよ……」
これまた意外だ。あまりにも意外すぎる。
おしゃれで、ゆるふわ女子にふさわしいとは言い難いかもしれないが。
しかし、確かにエリカにぴったりの仕事に思えた。
「雑用兼事務兼調査員って感じなんですけど。
何でも屋の使いっぱってトコですかね？ 何しろ、所長とアタシしかいないですから。
蒲田の裏通りにあるしょぼい事務所なの」
嬉しそうに話す。
あんなに、都心のピカピカの高層ビルの綺麗なオフィスでOLをしながら、一流企業に勤めるイケメンを捕まえることに血道をあげていたエリカの発言とは思えなかったがーー
何だか楽しそうだし、ま、いっか、と京香は思った。
「それにーー
一流企業、って言ったところで、絶対安泰、ってわけじゃないのはつくづく思い知りましたから。
まあ、確かに給料は最悪なんですけど。
だったら、やりたいことをした方がいいのかなぁ、って思ったりして」
最後はしみじみとした口調になっていた。
本当に。
GECが倒産するなんて、誰が予想しただろう？
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