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初めて出勤した京香は、早速幾つかのクライアントを受け持つことが言い渡された。
「しばらくは、富山さんと共同ですが、なるべく早く五十嵐さんに担当していただきたいと思っています」
ドンと資料が渡され、業務内容を把握するように命じられた。
「クライアントさんと打ち合わせの時は、一緒に参加してください。
今日の夕方、一社、電話会議が早速ありますので、その時までにこの資料に目を通しておいてください」
京香は早速資料に目を通し始めた。
エレクトロニクスの部品を扱う小さな会社。ただ、その会社は小さいながらも、非常に特殊な特許を持っており、商談相手は世界中のメーカーのようだった。
夢中になって調べていると、佐々木が京香に声をかける。
「どうですか?」
「いや、この小林電産、なかなか面白い会社ですね……業績も伸びてますし」
「そうなんですよ。なんでも、ナノチタンとかいう新素材が大ヒットしているみたいで、あちこちから問い合わせが来てるとか。
社員を何人か雇いたいらしんだけど、どうやって探したらいいか、ってそれも相談されているみたいですよ」
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