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「従業員を守るため、と言うけど、赤字ののツケを株主や銀行に払わせれば良いと思ってるの?」
「……何とか業績を回復することができれば」
「あの環境でGECが業績を回復することができると思いますか? あれだけの債務超過ですよ。一朝一夕に積み上がったものでありません。
むしろ隠せば、債務が増えていくだけ、というのが、今のGECの実力でしょう?」
わかっている、佐々木の理屈が正しいことは京香にもわかっているのだ。
GECを存続させたところで恐らくさらなる赤字を垂れ流すだけだろう。
特に、粉飾を隠すことしか念頭にない経営陣が実権を握っていれば体質が是正されることはありえない。
「ですから、絶望的な債務超過に陥る前に、企業の強みは何か、足りないところは何か、経営環境を正しく分析し、生産性をあげることで存続できるのか、じっくり考えていかなければなりません。
もちろん、経営者の方が最終的に判断をするわけですが、こういうこともできますよ、と第三者の視点で様々な選択肢を提供するのが我が社の使命ですよ」
「……ですね」
佐々木のいう通りだ。
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