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どんなスイッチが入ったのか、絶対そのバツイチ・子持ちを誘え、と言うエリカの迫力に押されて、京香はしぶしぶ結衣と杏を家に呼んだ。
京香たちのマンションに来た結衣は明らかに警戒している。
京香は、エリカにも加勢してもらうつもりで念のために呼んでいた。もちろん、言い出しっぺのエリカは喜んで協力する、と言っている。
「何、話って」
京香とエリカの二人にぐるりと囲まれて、結衣は怪訝そうな顔になった。
「合コンに行かない?」
「は? 合コン? 何で?」
「いや、その……」
京香が言いよどんでいると、エリカがにっこにこした顔で助け舟を出してきた。
「あ、あの、アタシの彼が友達に、いい女を紹介してくれーって頼まれてるんですよ。
彼、自分ばっかりいい女を捕まえてズルい、って言われちゃってるらしくって」
京香は、エリカの言い草にぷっと吹き出した。
「自分で言うか? もうちょっと謙虚になりなさいよー、エリカ」
「だって……事実だからしょうがないじゃないですか。
あ、アタシ、吉岡エリカと申します。 五十嵐先輩とは前の職場でいろいろお世話になっていて」
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