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エリカはぴしゃりと言ってのけた。
「28で引退宣言してどうすんですか! 人生、先は長いんですよ!? あと50年、独身で過ごすんですか!? 女の美しさの秘訣は恋ですよ!!」
「だって杏が……」
「杏ちゃんは五十嵐先輩が見ててくれますから、大丈夫です!!」
「え!? 私!?」
いきなりお鉢が回ってきて京香がぎょっとしていると、エリカがにっこり笑った。
「五十嵐先輩、ま・さ・か、私の頼みを断ったりしませんよね!?
私、先輩のためにあれだけのことをしたんですよーー少しぐらい私の頼みを聞いてくれたっていいと思いますよーーー」
ーーな、なんて女だ。
改めてエリカの恐ろしさに身を震わせて黙っていると、エリカは結衣の方に向き直った。
「ね? 五十嵐先輩も協力してくれることだし、ここは思い切って合コン、行きません?」
「……わかったわよ。行くだけよ? でも、なんでアナタがそんなに熱心になってるの?」
結衣が眉をひそめると、エリカは顔を赤くした。
「なんか……悔しくないですか?
こんないい女が、離婚して子供がいるからって、恋するな、なんて。
何で全部あきらめなくちゃいけないのか、って思うと。
恋することが悪いことみたいじゃないですか!?
アタシは、ーーいい女のミカタなんです!!」
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