それぞれの道

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「何、それ」 京香と結衣が同時にぷっと吹いた。 そのタイミングで、良太が「ただいまーーあーー疲れたぁ」とのんきな声を出して帰ってきた。 「あれ、姉ちゃん。あれ、エリカさんも。いらっしゃーい」 良太はテーブルの上にポンとコンビニの袋をおいた。 「おみやげーー、ポテチとフィッシュアンドナッツ買ってきたーー」 良太は言いながら、冷蔵庫に行ってビールの缶を取り出す。 プシューとプルトップを開けながら、ごくごくと美味しそうに飲みだした。 「ちょっと!」 京香が尖った声を出した。 「何?」 「……ってか、勝手に飲む? 私たちの分とかないわけ?」 良太はぽかんとした顔をした後、あ!と頭に電球が灯ったような顔になった。 「あ、ごめん。京香さんも飲む?」 「……いい、そういう気分じゃなくなった。  どうせ、柿の種、ないんでしょ」 「あっ! ごめん」 「相変わらず、自分勝手だなぁーー」 京香がふーとため息をつくと、エリカがくすくすと笑った。 「いいじゃないですかぁ、センパイのこと『かっわいい♪』なんて言ってくれる男のヒト、なかなかいませんよ!?」 「なななな、なんてことを! 失礼な!!」
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