それぞれの道

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「ふふふ。  五十嵐先輩は可愛いんじゃなくてかっこいい先輩ですから。  じゃ、アタシ、結衣さんとの合コンの話もついたし、帰りますねぇーー悟さんとこれからデートなんで。  結衣さんに合いそうな人、バッチリ探すように悟さんに言っておきますから!  合コンでは盛り上がりましょうねぇーー」 エリカは言いたい放題言うと、風のように去っていった。 「杏も疲れた顔してるし、私も帰るわ」 エリカが帰ってしまうと、結衣も気が抜けたのか、そそくさと席を立って行ってしまった。 「京香さん、乾杯する? お仕事どうだった?」 良太はポテチの袋をパリッと開ける。 先ほどの京香の指導が効いたのか、テーブルの上には二つのグラスがあった。 「うん。大分慣れてきたよ。  佐々木さんもいろいろ教えてくれるし、何とかなりそう。  ちょっと緊張してるけど充実感いっぱいだわ」 「良かったーーうまくいったんだ!  これでボクもいつでも辞めれるじゃん」 「何、アンタ、辞めるつもりなの!?」 「いやーー実はさぁ、今日、店長から正社員にならないか、って誘われたんだけど、どうすればいいと思う?」
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