それぞれの道

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「だけどーーそうしないと、会社が潰れちゃうんだよ?」 「だから、そういう会社は……厳しいことを言うようだけど、ダメダメなの。  やり方が悪くて、経営者が無能なんだよ、はっきり言えば」 「じゃ……どうするの、そういう会社は」 「経営者をクビにする。さもなくば会社を潰す!  社会から必要とされる会社に変われるように知恵を絞る。それこそ、コンサルティング・ファーム、ハンディ・ジャックの使命だと思う」  京香の目はキラキラ輝く。 「私はやるよ。絶対やる。  いい? 良太。アンタが正社員で働くっていうなら、私、絶対、世界一働きやすいコンビニにするから。  わかった!? だから、一生懸命働いてよ!?」 「え? そ、そうなの?」 「そう。 はい、乾杯するよ、乾杯!」  二人はかんぱーいとグラスを持ち上げ、カチンとならす。  耳に心地よい音が広がった。 (完)
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