使えない男

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時間は迫っている。良太は外に出そうもない。 京香は観念した…… 「いい。私が帰って来るまでウチに居ていいから、家の中を綺麗に片付けておいてね!  台所!片付けとけって言ったのに、昨日のままじゃない!!わかった!?」 最後は怒鳴るように言い捨てると、良太の返事も聞かずにマンションを飛び出した。 *** 駅までダッシュして、駅を降りてからもダッシュして、何とか遅刻は免れた。 自分の席についてハアハア息を整えていると、秋山補佐が待ち構えていたように京香のところにやってくる。 「なんかねー、インフラの数字、修正が入ったのが上がって来てるよ。  悪いんだけど、報告書の作成やり直してくれる?」 「結局、夕べ待ってたヤツもパーなんですかぁ、そうなると思いましたよ。  秋山補佐は要りますか、最新版?」 「オレはもう数字はもらってるから、出来上がりを回してくれるだけでいいよ。  夕方ちょこっと打ち合わせしといた方がいいかな。時間ある?」 「もちろん」 「じゃ、よろしく」 「了解です」
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