出戻り女の癇癪

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「あー、私、どうして東大なんか行っちゃったのかしら……賢い女は東大なんて行かずに、花嫁修業のできる短大あたりでお茶を濁して若さで勝負するわよねぇ……」 ノリコはこんな風に嘆いた。 京香は驚いた。 「だって、今時、専業主婦なんてリスク高すぎでしょ?」 京香にしてみれば、専業主婦となって、結婚相手に自分の運命を託すぐらいなら、自分の力でしっかり稼いだほうが余程人生が確実のように思える。 少なくとも、二馬力で働いたら、どちらかが失職しても不安はかなり軽減されるはずだ。 京香がそんな風に説明したら、ノリコは「甘い!」と一刀両断した。 「二馬力で稼ぐ、なんてさ、結婚できれば、の話でしょ。  私らにはね、そもそも『結婚』というハードルが高過ぎるのよ。はっきり言って若いうちが有利。一年どころか一ヶ月だって時間が惜しいのよ、私は!」 ノリコはそう言ってせっせと合コンに励んでいた。 まだ25なのに。そんなに焦らなきゃいけないもんなんだろうか?  京香には全くピンとこなかった。
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